ここで少し、学校からは脱線する。
「どうして人を殺してはいけないの?」子どもにそう聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。
昔、人を殺してはいけない理由について、テレビ番組で偉そうな人たちがもっともらしく述べているのを聞いて、釈然としなかったことを覚えている。その問いについて、「常々思っていた」ことがある。最近、それとほとんど同じことを耳にして、嬉しくなったと同時に、先に言われた!と悔しくなったことを覚えている。
漫画を原作としたドラマ「ミステリという勿れ」のワンシーンである。主人公の久能整くんが、バスジャックに巻き込まれる。そこで「どうして人を殺しちゃいけないと思う?」と問うバスジャック犯に対して、久能くんは「いけないってことはないんです」「別に法律で決まってることでもないですし」と答える。実際に、刑法第199条には「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」としか書いていないのである。「ウソ!だって捕まるだろ」という声に対し、久能くんは「罰則はあります」「なぜ 人を殺しちゃいけないのか」「いけなくはないんだけど ただ」「秩序のある平和で安定した社会を作るために便宜上そうなっているだけです」と答える。
さらに久能くんは「一たび戦時下となれば」「いきなりOKになるんですよ」「それどころか たくさん殺したほうが 褒められるって状況になる」と続ける。まさにその通りである。
さらにいえば、なぜ人間だけを殺してはいけないのか。我々人間は実にさまざまな生き物を殺している。生きるためにやむなく生き物を殺して食糧にするだけならば理解できる。(私は釣り行った際、釣れてまだ生きている魚を殺して捌くことはできずに、友人にやってもらった。)しかし、蚊や黒く光る「アイツ」は躊躇なく殺している。虫は病気を媒介することがあるから、生きるためにやむを得ずと言えなくもないが、少なくとも私は嫌悪感の方が勝り、アイツらを殺してしまっている。虫を何匹殺したところで当然ながら罰則はない。人を殺してはいけない理由があるのだとしたら、なぜ虫を殺しても許されるのか。それは、人を殺していけない確固たる理由はなく、まさしく「便宜上そうなっているだけ」ということの証左なのではないか。
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