続いて、「学校」の語源を調べてみよう。学校は英語だと「school」である。『オックスフォード英単語由来大辞典』によると、「school」の語源は古英語で「教育のための場所」という意味の「scōl,scolu」であった。さらに、この「scōl,scolu」は、「余暇、哲学、講義室」という意味のギリシア語の「skholē」がラテン語を経由して入ったものとされている。
古代のギリシャでは、学ぶことができるのは自分が働かなくてもよい貴族の特権であったといわれている。その時代には奴隷制度があり、貴族は奴隷に働かせることによって、「余暇」ができていたのである。今の「学校」に「余暇」はあるだろうか。どちらかというと、「余暇」を悪として、なくす方向に動いているように感じる。子どもたちは、暇を持て余した貴族というよりも、強制的に働かされる奴隷の方が近いだろう。
余談ではあるが、私の同僚は、『「学校」は幸せな奴隷をつくるところだ』と述べている。「学校」は子どもたちにとって非常に理不尽で不自由な場所である。まず第一に、決まった年齢が来たら基本的には義務教育である小・中学校に入学させられる。入学式では勝手にクラス分けがなされ、「担任の先生」まで決められている。その後も時間割やチャイムに従って行動することや、廊下や階段は右側通行で、走っていけないなど、数えきれないほどの「きまり/ルール」に縛られることになる。安全に学校生活を送るために、ある程度は許容できるものもあるが、ツーブロックの髪型禁止や、小学校ではシャーペン禁止など、首を傾げたくなるものも数多く存在する。校則や「学校のきまり」などとして明文化されているものもあれば、運動会や音楽会などの行事に参加しなければならないことや、「勉強」や「宿題」をしなければいけないなど、暗黙の「きまり/ルール」も存在する。ひとたび破ろうものなら、「先生」に叱責される。一方、これらの「きまり/ルール」に従っていれば、「先生」から叱責されることはない。そればかりか、従順な子どもは「優等生」として様々な場面で優遇される。もちろん、子ども同士のいじめやトラブルなどもあるが、それらを除けば、学校生活上の安全は確保される。あえて「優等生」がいじめや嫌がらせのターゲットとなることもあるが、子ども同士のトラブルの際にも、「優等生」の方が大人から守ってもらえる確率は高くなるだろう。従順でいることは、「学校」生活上の安心・安全につながるのだ。
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