教育② :「教」という漢字の恐ろしい成り立ち|やぎの教育辞典

子どもに鞭を打って強制させるのが「教」

「教育」の「教」を訓読みすると、「教える」になる。「教える」を広辞苑第七版で調べると、『①注意を与えて導く。さとす。戒める。②知っていることを告げ示す。③学問や技芸などを身につけさせる。知識を与えて理解させる。』とある。

ここで、「教」という漢字の成り立ちを調べてみよう。産経国際書会のHPでは、「教」の旧字体の「敎」を分解すると、「交わる」を意味する「爻(こう)」と「両手」を表す「子」、「動作」を表す「攵または攴(ぼくづくり)」になることから、先生が生徒に教える姿を表していると記載されている。また、一説には「爻」は「神聖なる建物」を表し、そこに師弟を集めて教育を行ったことから、「教える」という意味が生まれたとされることが追記されている。

一見平和的な成り立ちにも思えるが、立命館大学名誉教授で漢字研究の第一人者である故・白川静氏の『漢字—生い立ちとその背景—』では、「攴」は「鞭」を表すという衝撃的な内容が示されている。また、福井県教育委員会が編集・発行している『白川静博士の漢字の世界へ[第二版]』では、『攴(攵)はむちの意味で、長老がむちを使って生徒をはげましたこと意味する。』と書かれている。子どもも読めるように教育委員会が出版したものだからか、かなりマイルドに「励ます」と書かれているが、長老が子ども相手に鞭を使っていたら、「励ます」の範疇を超えているだろう。

さらに、漢字や漢文に関する書籍の編集や執筆を幅広く手がけている円満寺二郎氏の『漢字なりたち図鑑:形から起源・由来を読み解く』では、「右側」は「学ぶ」ことを、「攵」は「たたく」ことを意味し、「教える」は「無理に学ばせる」ことを意味していると述べている。左下に「子」という文字が含まれていることから、「教」という文字は鞭を用いて子どもに何かをさせる(もしくは何かをさせない)ことを表す文字であることをうかがうことができる。

「教」という漢字の成り立ちを調べると普段当たり前のように使っている「教育」の「教」が、暴力性を抱えていることがわかる。先述したように「教える」には「罰する」という意味もある「戒める」が含まれていたことも関連すると思われる。

現在の日本の「教育」においては体罰は禁止されているため、鞭を用いることはもってのほかである。実際に使わずとも持っているだけで脅しと見なされ、許容されることはないだろう。「教える」という言葉には「教える」側の優位性を含んでおり、その優位性に基づく暴力性や強制力を自覚しておくことは必要だろう。

書いてみる

タイトルとURLをコピーしました